レゾナントスキャナ( Resonant Scanners )

当社は世界で初めてトーションバーにコイルスプリングを使ったレゾナントスキャナを考案しました。
特許第3759812号
この技術により、従来では不可能とされていた大型ミラーを広角駆動できるスキャナの永久寿命設計が可能になりました

レゾナントスキャナ1

レゾナントスキャナ2

レゾナントスキャナ3

レゾナントスキャナ4

オプトロンの製品には
永久寿命設計のレゾナントスキャナが搭載されております。

モデル化した構造と動作原理

本体ケースに両端を固定したトーションバーの中央にアクチュエータ(走査ミラーとマグネット)があり、その近くに駆動コイルが取り付けられております。(図1)
駆動コイルに交流電流を流し、マグネットに回転力を与えます。通常のモータはシャフトがベアリングを介して回転しますが、レゾナントスキャナはトーションバーの両端が固定されているために回転せず、走査ミラーがトーションバーのねじれ角度内で往復振動します。交流電流の周波数をアクチュエータの機械的共振周波数f0に一致させると、僅かな駆動電流で大きな振動を得ることができます。(図2)

モデル化した構造と動作原理の図 図1 アクチュエータ(捜査ミラーの裏にマグネット)、トーションバー、駆動コイル 図2 f0=(1/2π)√(K/J)(グラフ)  補足 K:トーションバーのバネ係数 J:アクチュエータの慣性モーメント

永久寿命のために


1.設計余裕の確保

レゾナントスキャナの寿命はトーションバーの破損で決まるといってもよく、永久寿命設計は走査ミラーの最大振動角度(トーションバーのねじれ角)におけるバネ材の許容応力を充分大きくすることで達成できます。
当社ではトーションバーにコイルスプリングを使用することで、余裕度を大幅に向上させました。(特許取得)
当社設計基準で作られたレゾナントスキャナは、寿命試験で1011回(カーテンセンサ用に換算すると約300年分)の振動回数でも破損しないことが確認されております。

2.バネ材の開発と検査体制

レゾナントスキャナに最適な特殊合金に熱処理を施すことで性能を最大限に向上させています。
部品検査工程では、表面層の欠陥チェックを厳密に行い万全を期しております。

レゾナントスキャナ方式のカーテンセンサ®の特長

 スキャナの違いによる性能比較表

  レゾナントスキャナ( オプトロン製 ) モータスキャナ( 他社製 ) 条件
1 設計寿命 永久的 3~5年 連続通電
2 消費電力 モータスキャナの1/10以下    
3 走査の有効時間 85% 17% 検出範囲60°
4 角度分解能 モータスキャナの5倍   同上
5 検知物体の捕捉度 振動、凸凹に追従可能    
6 走査ラインの品質 直線性が良い 多少湾曲する  

詳細説明

  1. 永久寿命設計
  2. 低消費電力
  3. 走査毎の有効時間が多い
    1面ミラーのモータ方式では走査ミラーを360°回転させて、そのうちの検出範囲分の角度しか使っていません。例えば検出範囲が60°の場合で考えると、1回転のうち1/6の時間(17%)しか有効に使っていないことになります。
    一方、レゾナントスキャナ方式では必要な検出角度に合わせてミラーを往復振動させていますので、85%くらいが有効時間となります。
  4. 角度分解能が高い
    上記説明のようにモータ方式に対して5倍の有効時間がとれるので、走査周期が同じなら角度分解能は5倍上がることになり、小さな物体の検知が可能となります。もし角度分解能が同等でよければ、5ポイントの距離データを平均化処理することで測距精度を数倍向上させることができます。
  5. 検知物体の捕捉度が高い
    モータは一定方向にしか回転しないので走査方向は毎回同じですが、レゾナントスキャナは往復振動していますので走査方向は1回毎に変わります。対象物体が振動している場合や凹凸のある場合に、往復走査データの平均化処理で精度の良いデータが取得できます。
  6. 高品位の走査ライン
    モータ方式はベアリングのガタや磨耗で走査ラインにウォブル(注)が発生しますが、レゾナントスキャナ方式はウォブルがほとんど無い高品位の走査ラインが特長です。
    検知面の精度を重視する”はみ出し検知”などの用途には最適です。
    (注)ウォブルとは、走査方向と直角方向のブレや湾曲のことです。

この技術情報に関するお問い合わせ

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